アインシュタインより愛を込めて 感想・評価

4.0
アインシュタインより愛を込めて OP

新規ブランド「GLOVETY」の船出となる作品『アインシュタインより愛を込めて』(アイこめ)を遊んでみました。

この記事では、まだプレイされていない人向けにどんな雰囲気のゲームなのかまとめています。

*重要なネタバレはございません*

*画像は体験版の範囲に限って引用しております*

評価

シナリオ ★★★★

イラスト ★★★★★

音楽   ★★★★☆

システム ★★★★☆

シナリオ感想は後に譲るとして、まずは他の面から。

原画はきみしま青先生が描かれています。ヒロイン全員可愛くて、CGの枚数も充分。淡い絵タッチがすごく素敵ですし、庇護欲を駆られるようなキャラデザです

SNS等で活躍は拝見していましたが、今回で一気にきみしま先生のファンになりました。

音楽は水月陵さん、竹下智博さんがメインで作曲されています。

オープニングとエンディング曲に関しては神です! 何度もリピートしています。

ただ、BGMについては割と普通で、名BGMは無いです。サントラが発売されても、買うかどうか悩む所。クライマックスでもうひとつ心に刺さる楽曲が欲しかったです。

コンフィグは可もなく不可もなく快適にプレイできます。セーブ可能数は200個ありますので、個別√とGrand√を合わせても事足りると思います。

 

それでは、次にキャラクター別の感想を見ていきましょう。

坂下唯々菜

坂下唯々菜

なんとなく最初に攻略しましたが、結果的に唯々菜が一番好きでした

「特徴がない」が代名詞の女の子で、誰よりも「普通」を求める少女。どうして普通の日常を求めるのかも、きちんとストーリーとリンクしているところも素晴らしかったです。

美少女ゲームはヒロインに属性を与えていかに魅力的に描くかがひとつの命題ですが、最近はこういう冴えないヒロインも増えてきましたね。

「The 普通」を「魅力」に昇華させるのは難しいのですが、唯々菜はそれを見事に体現しているキャラ。少しネタバレなりますが、Grand√でもけっこう活躍します。

おっとりした性格ですが、ボケとツッコミ(正確にはフリとコナシ)の塩梅がちょうどよくて、会話が心地よかったです。

西野佳純

西野佳純

ボクシングをやっている同級生。格闘技の部活に籍を置いているヒロインはちらほら見かけますが、ボクシングは珍しいですよね。

ビジュアルだけだとヤンキー娘っぽく見えますが、他人の声に耳を傾けられる素直で良い子です。

気になった点としては、せっかくのスポーツ少女設定なのに試合シーンがほぼ皆無だったこと。Grand√で敵を倒して仲間を救う場面があるのかなと思っていたのですが、特にそういう描写も無く。ボクシングである必要はあったのかな……と思いました。

CVは安心と信頼の風音様です。強気キャラの隙間に見せるデレ要素を演じきるのは、流石です

欲を言えば、ビジュアルアーツ傘下のブランドはキャストを固める傾向にあるので、新しいブランドだからこそ、息のかかった声優ではなく、若手の声優を起用してほしかったですね。

新田忍

新田忍

主人公のお隣に住む大学生のお姉さん。性格はおっとりしています。

キャスト情報を見てびっくりしたのですが、声は佐本二厘さんが担当されています。この時代に二厘さんのお声がまた聞けるとは想像もしていませんでした。純粋に嬉しかったです。

さて、忍√は前半と後半で全く話の雰囲気が違います。前半は極めてハートフルな内容で、SFアドベンチャーということを忘れそうになるレベル。

唯々菜√を最初に攻略した私としては正直、内容の希薄ささえ感じました。

このまま終わるの? と嫌な予感が脳裏を掠めましたが、後半は本作の核心に触れる展開が待っています。

同時に、唯々菜&佳純√で抱いた疑問のいくつかが氷解しました。忍の前に二人のルートをやっておいてよかったと思いました。

少しずつ核心に近づきたい人は、佳純→唯々菜→忍→ロミの順で攻略するのがオススメです

有村ロミ

有村ロミ

小柄な天才少女。

頭の良さで常にマウントを取りたがっている周太とちがい、決してその秀才さをひけらかさない才女。

プレイする前は、科学の知識とか、電波話とか、小難しい話題を繰り出してくるのかなと思いましたが、実際は非常に控えめな性格。

7年の前のある事件をきっかけに、周太の数少ない理解者の一人になります。

プレイする上で重要な点は、必ず唯々菜と佳純√を事前にやっておくことです。前半は二人の√と内容が重複しますし、ロミの話はGrand√に直結しているからです。

四人とも完全なハッピーエンドとは言えず、多かれ少なかれ苦味を残したエンディングになりますが、ロミ√は唯一のBAD ENDと言える終わり方をしているのが印象的でした

愛内周太

本作の主人公。

絵に描いたような理系脳で、忌憚のない意見を発するタイプ。

最初は「なんだコイツ」と思う言動もあったのですが、プレイしていくと彼のペースに引き込まれます。

最初はよくある「ひねくれ者」「人生悲観系キャラ」かぁと思いましたが、個別ルートによっていろいろな一面が見れて、すごく人間味のある主人公だと感じました。

佳純√からの引用ですが、「それでも俺は……俺なりに、俺のことが好きなんだ」というセリフがあります。自分自身に満足していない主人公像が共感を呼ぶ中で、このセリフが言える愛内くんはかっこいいなと思いました。

主人公はやっぱりこれくらい生意気で等身大の成長を見せてくれる方が退屈しないです。

余談ですが、美少女ゲームにしては珍しく、Grand√で一部ボイスが実装されています(幼少期含む)

批判的なコメント

ここからは既プレイの方々から寄せられたマイナス意見について私なりの感想を述べます。

ボリューム不足

批判レビューの大半がこれです。

たしかにフルプライス版のゲームとしては若干短めですね。プロローグ→本編(個別ルート)→Grandルートの流れですが、その気になれば一日で全クリアできるかもしれません。

個人的には、展開の淡白さの方が気になりました。SFモノは予期せぬイベントが次々に起こって、バラバラのピース次第に合わさっていく所にひとつの魅力があると考えます。

本作は世界観の設定こそ面白いのですが、話の進み方が単調な印象を受けました。

加えて、細かい伏線が回収しきれておらず、ラストも「え、これで終わり!?」という尻切れトンボ感があります。

こういう点から、物足りなさを訴えるユーザーの気持ちも理解できます。一方で、社会人の自分としては、気軽にサクサクと遊べる点はメリットかなと思いました。

それ以上に、各個別ルートにはGrandルートにつながる伏線が散りばめられていて、それらをラストへ持っていく描写は上手だな~と思いました。そこは大きく評価したいです。

まとめますと、SFノベルとしては非常に面白く、新島夕さんの手腕が光るものでした。細かい部分に目を瞑れる人はやってみる価値あり、という感じです

営みシーンに期待してはダメ!

これに関しては、お世辞にも良いとは言えません

文量も短いですし、内容も薄いです。最後のロミとの本番については消化試合感が否めません。

これからは買う方は、おまけ程度に考えておきましょう。

まとめ

通常版は1万円ほど。豪華限定版は店舗によりますが、15,000円~18,000円くらい。

尺の短さ・大味なラスト描写が我慢できなかった人にとっては割高に感じる価格でしょう。

私としては、ひとつの読み物としては大変おもしろかったです。ギャグパートも思ったより多くて楽しくプレイできました。

なにより、きみしま青先生のファンになりました。プレイしてよかったです。

GLOVETYさんの処女作となる『アインシュタインより愛を込めて』

その可能性を見せてもらいました。年内にはアペンドルートも無料で配信予定とのことです。さらに、次回作の企画もすでに立ち上がっているとか。こちらも楽しみですね。

賛否両論の1st Projectになりましたが、私は次回作も購入したいなと思えるブランドでした

サントラは買うかどうか迷っていると前述しましたが、感想を書いていたら思い出のシーンが次々と蘇ってきて、やっぱり欲しいな~と思いました。

グッズ展開と併せて是非サントラも発売してほしいです。

そんな感じで今回は終わります。読んでいただいてありがとうございます!

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