かけぬけ 青春スパーキング! 感想・評価

かけぬけ★青春スパーキング! OP

SAGA PLANETSさんより2020年8月に発売された『かけぬけ★青春スパーキング!』の感想記事です。発売からかなり時間が経ってしまいましたが、ようやくクリアしましたので、今回はレビューを書いていきます。

さっそくいってみましょう。

ストーリー上のネタバレはございませんので、未プレイの方も安心して読めます。

作中画像は、製品版から体験版の範囲の立ち絵に限定してお借りしています。

全体評価

シナリオ ★★★★

原画&CG ★★★★

音楽   ★★★★

システム ★★★★

シナリオ感想は後半に譲るとして、それ以外の要素を簡単にチェックします。

まず原画とCGについてです。本作の原画は、ほんたにかなえ先生、とらのすけ先生、有末つかさ先生が描かれています。サガプラではお馴染みの先生方ですね。

クオリティは申し分なく、ひと目で「可愛い!」と分かるタイプのイラストで、万人受けするCGが詰まっています。ぴこぴこぐらむ先生のSDキャラもとっても可愛くて癒やされました。

BGMに関しては、水月陵さんやえびかれー伯爵さんなど、これまた実力派の方々が名を連ねてます。海辺での軽やかなBGMや、夏の賑わいを感じさせる曲など、明るめな曲調が多めです。

気になった方はサウンドトラックもチェックしてみてくださいね。

かけぬけ★青春スパーキング! サウンドトラックCD

今作のCGと音楽は安定しているが故に無難 of 無難と言ったところ。欲を言えば、もう一つ心に刺さるイベントCGや音楽があれば完璧でした。最後のもうひと押しが欲しかったですね。

最後にシステム(コンフィグ)です。今回はメッセージウインドウの右端に各アイコンが表示されていて、ここからセーブやロードなどの一通りの操作が行えます。

感覚的に操作できてとても良いです。セーブ可能数が多いのも高評価。

ただし、前作『金色ラブリッチェ』もそうだったのですが、セーブ&ロード画面のページ移動が若干もたついたり、クリック連打すると思わぬページに飛んだりと、融通が利かないことがありました。

必要な機能は実装されているので、ここら辺の細かい微調整は次回作に期待したいところです。

個別ルートの攻略と感想

ここからはシナリオの感想をお話していきます。

本作は、主人公(遠野遊)のかつての幼馴染――小日向響が学園に転入し、地元に帰ってくるところから物語がはじまります。

響をはじめ、ヒロインはすべて遊と顔なじみの関係なので、新しい出会いとかはありません。既存の友情がどう恋愛感情に発展するかを描いた作品です。

『青春』をテーマに据えた王道ストーリーで、気持ちのいいイチャラブ展開を見せてくれます。

メタ発言やパロディが多用されているのも特徴的。

「泣きゲー」がどうかについてですが、正直涙が出るまではいきません。が、律・橘花ルートは十分に感動できるレベルです。

選択肢や分岐は存在せず、長めの共通ルートを終えたら、攻略したいヒロインを選ぶ方式。金恋と同じですね。

それでは、攻略した順に感想を述べていきます。

小日向響

小日向響

一言で言えば、ハル○です。

自由奔放でウザかわいい響。彼女に振り回される遊。おっとした性格の理々。窓辺で静かに過ごす栞里。この構図に懐かしさを覚えた人も多いのではないでしょうか。

やってることも、天体観測して、花火をして、お祭りに行って……と夏休みを満喫するもの。某憂鬱ラノベが好きだった人は、波長が合うと思います。

響の魅力は個別ルートで発揮されるというよりも、たとえば凪子ルートや律ルートで遊との間を取り持ったり背中を押してあげたりと、他ヒロインのシナリオで彼女の優しい一面が際立ちます

一見、暑苦しい性格をしていますが、その言動にもちゃんと意味があって。他のヒロインへの気配りもでき、グランドルートへの伏線も備えている。センターにふさわしいキャラでした。

海堂凪子

海堂凪子

響の従姉妹で道場の娘。本作で唯一の先輩ヒロインです。

運動を嗜んでいるだけあって凛々しく、男勝りな行動も数多いですが、誰よりも乙女な一面を持っているキャラ。

個人的に、立ち絵の表情パターンは凪子が一番かわいいと思いました。とくに照れたり言葉を詰まらせる仕草が最高です。

柊栞里

柊栞里

主体性がなく、周りに流されがちな後輩女子。

たぶん、未プレイの方にとっては、この子が一番恋に落ちる未来が想像できないと思います。私もそうでした。でも、安心して下さい。恋愛が成就してからはめちゃくちゃ甘いです。

他のヒロインが恋愛を通して乙女として成長する感じなら、栞里は恋を通して過去のトラウマを克服して人間として成長する部分にも重きが置かれていました。

凪子と栞里については、本編をやって魅力に気付いた方も多かったのではないでしょうか。

鹿島理々

鹿島理々

遊のクラスメートで、遊のことを「師匠」と呼んで崇める理々。ボランティア部の部長でもあり、地域コミュニティへの奉仕活動も積極的に取り組んでいます。

慈愛を感じさせる温和な人柄から、理々推しのユーザーはきっと多いはず。

また、理々ルートはとりわけ初々しくて奥手な主人公が見れる貴重なストーリーだったりもします。

私は澤田なつさんの甘くて掠れ気味な声が好きなのですが、澤田さんの声は理々に非常にマッチしていたと思います。

遠野律

遠野律

ここだけ少しネタバレですが、実は律ルートもあります。

しかも、単なるおまけルートではなく、遠野兄妹の過去と柵に迫る重要なお話。「これ、共通とかグランドルートでやる内容じゃないの!?」と最初思いました。

企画・メインライターが妹モノで定評のある瀬尾順氏が携わっていることもあり、律からは謎の妹愛を感じました。

妹キャラが好きな方はやって損なしです。内容共々、大満足でした。

聖橘花

聖橘花

サガプラファンなら「たぶん橘花ちゃんがキーパーソンなんやろうなぁ」と予想した人も多かったのではないでしょうか。

形としてはグランドルートですが、これが唯一の正解と決めつけるものではなく、他のヒロインすべてのルートが正解と据えているところが良かった所だと思います。

過去作でいえば『フローラル・フローラブ』に雰囲気は似ているかなと感じました。フロフロのグランドエンディングが好きだった人はきっと橘花ルートも気に入ると思います。

個人的に、キャラクターの個性は橘花が一番好きでした。ウザかわいい性格でよく主人公の遊をからかいますが、逆に自分が押されるのは弱いタイプ。響とはまた違ったベクトルの明るさを持ったキャラで、見ていて楽しい女の子でした。

惜しかった所

ゲームをプレイしてみて疑問に思ったこと・次回作に期待したいところが2つありました。

メタ発言は「諸刃の剣」

先にも書きましたが、本作はけっこうメタ発言があります。

メタ発言はそれ単体でユーザーに笑いを提供できる魅力的な武器ですが、同時に「これはフィクションであって現実の話じゃないよ」と読者を遠ざけてしまう諸刃の剣でもあります

メタ自体が良い悪いの話ではなく、作品によってメタ描写が刺さるものと、そうでないものがあるということです。では、『かけぬけ★青春スパーキング!』はどうでしょうか。

本作のテーマはタイトル通り『青春』です。青春は誰もが経験する人生の通過点です。

「ああ、学生時代は自分もこんなバカやったなぁ」とか「私もこういう青春を送ってみたかった」など、ユーザーが自身の面影と重ねて楽しめるように、あるいは寄り添えるようにという願いで開発されたはずです。

作品に没入してもらって共感を得たいのに、作品の世界観から遠ざけるメタ発言の多用はコンセプト的にどうなの? と私は感じてしまいました。

「青春ADV」であって「夏ゲー」ではない

これは完全に主観になりますが、「かけスパ」からはあまり季節感を感じることができませんでした。

花火を観たり、肝試しをしたり、海で遊んだりと、夏のイベントが満載なのですが、どこか夏が遠い気がしてしまいました。

これは、自分が真冬にプレイしたことも原因だとは思うのですが……。

それでも、登場人物たちは夏を満喫しているはずなのに、どこかそれが画面の向こう側の世界に感じられて、夏という季節に浸ることはできませんでした。

試しに、同じような舞台設定の他の夏ゲーをいくつか掘り返してみましたが、それらは冬に遊んでもきちんと夏の風物詩を堪能することができました。

この差は一体何なんですかね。すみません、私のボキャブラリーではうまく伝えることができそうにありません。

いずれにしても、ヒロインとはめちゃくちゃ甘くて、ドキドキするストーリーを見せてくれますので、ヒロインとのイチャラブを目的とした「青春ADV」として買うのは大いにアリです。けれど、「夏ゲー」を期待しすぎるのは微妙かなと思いました。

最後に

以上、簡単ではありますが『かけぬけ★青春スパーキング』の感想を書いてみました。

ヒロインとの恋の行方が丁寧に描かれてますので、ビジュアルが気に入ったのであれば是非プレイしてみてください。

『金色ラブリッチェ』はCGバグが少し見受けられたのですが、本作はそういったバグも無く、誤字脱字もほとんどありませんでした。

制作スケジュール的にコロナの影響をダイレクトに受け、とくにマスターアップ直前はリモート作業という慣れない環境での仕上げだったと察します。

けれど、そんな社会不安を微塵も感じさせない安定したクオリティを見せてくれました。制作スタッフのたゆまない連携と熱意の賜物だと思います。

こういったご時世でもSAGA PLANETSさんは各種キャンペーンを継続してやってくれるブランドですので、私もすごく信頼しています。しかも、次回作の開発がすでにスタートしているらしいですね! 素晴らしいです!

これからも色んなブランドが様々な作品を送り出してほしいですし、ユーザーもそれに応えて、感想や情報を発信し続けてこの業界を盛り上げていきたいですね。

そんな感じで今回は終わります。読んでいただいてありがとうございます。

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