『金色ラブリッチェーGOLDEN TIME-』

2017年12月に発売された『金色ラブリッチェ』今回はその続編となります。追加シナリオであるミナ&絢華√を中心に、感想を書きました。
*ネタバレを含みますので、未プレイの方はご注意ください*

ミナ:

主人公の央路は庶民、ミナちゃんは王族で女王です。住む世界が違いますし、二人の恋愛にはこれから数々の障害が立ちふさがります。が、ここら辺の小難しい話はあまりなく、将来への期待と抱負で締める、未来志向のエンディングとなっています。ミナちゃんとの甘酸っぱい恋に比重を置いたFDらしい内容でした。

また、央路が過去のトラウマと向き合い成長していくのも『金恋』の見所のひとつです。 夏の一件以来、央路は自分を卑下するようになります。『金色ラブリッチェ』本編では、その辛い過去を打ち明け、玲奈に慰めてもらうという印象的なシーンもありましたね。今回はミナちゃんから「他人のために自分を曲げられる、自分を諦めるというのは・・・簡単にできることではない」という言葉をもらいます。ミナ√のまだ序盤で、当時の央路にはそれほど心に届きはしなかったかもしれませんが、きっと人としての央路が再出発するきっかけになったセリフだと思います。落ち込んでいる人に慰めをかけることが必ずしも正解とは限りません。立ち直りを先延ばしにする場合もあります。過去も今の姿も肯定してあげるー難しいですが一番大切なことかもしれません。

ミナちゃんとの時間を共にするにつれて、現状のままでいいのかという思いが主人公の中に芽生えます。エキスパートプランで玲奈の活躍を見て将来を考えるシーンがありました。「自分が夢中になれるものを探す」のが金色ラブリッチェのテーマのひとつです。サイドストーリーながら、そのメッセージをちゃんと伝えてありました。

クライマックスでは、「どこに居ても恥じることない立ち振る舞い=自信をもって、堂々とすること」というミナちゃんの言葉を央路は素直に受け入れます。転入してきたばかりの彼だったら、おそらくできなかったことでしょう。恋を経て主人公もしっかりと成長しています。
ミナちゃんは可愛らしく、デートシーンも甘々ですが、それでも一国の王女。年の割に達観した物の考え方や、胸にスッと落ちてくる言葉が多かったなぁという印象です。

絢華:

絢華と央路の昔話については、前作『金色ラブリッチェ』でおおまかに語られています。なので、今回はお互いの正体に気付いていくのがメインだと思ったら、意外と家柄の話や絢華自身の性格の話が中心でしたね。

絢華は立ち回りが上手く、故にどこかクラスメートとも心の境界線を引いてしまいます。気の許せる友達はほとんどいませんし、嫌いな庶民に対しては性悪な態度を晒します。絢華の人間的な欠陥として見えるかもしれませんが、シルヴィや玲奈が特殊なくらいフレンドリーなだけで、きっと絢華くらいが現実的には普通なのかもしれません。一緒にご飯を食べたり、お話をしたりしていても、どこか気疲れしてしまう。接し方の距離感が分からないー絢華を見てて共感を覚える人はきっと少なくないと思います。

絢華は、本当は素直で優しい子です。幼い頃のトラウマや、その後の環境や教育が貴族としての絢華を形成します。辛い記憶は人を怯えさせもしますが、同時に強くなるきっかけにもなります。また、教育は新しい知識や価値観を付与する一方で、時として奪うものもある。そんなことを彼女のルートをプレイしながら考えていました。

シルヴィとの対比を用いて、「家」と「自分」のどちらを大切にしているかという描写がありましたね。絢華は「家」を最重視します。ノーブル学園は将来のエリート育成機関、生徒の多くは富裕層です。その中でも絢華は別格の雰囲気を醸し出していますが、理由のひとつが「家」の重視です。気高くあり、常に城ケ崎家の繁栄を願う姿勢が絢華を絢華たらしめています
央路との恋が深まっても、「恋愛」と「家の事情」の板挟みで葛藤するシーンがいくつもあります。彼女の根底は誠実さである証拠ですね。

全体感想:

FDとは思えないクオリティでした。遊び心を忘れず、本編(金色ラブリッチェ)で語られていない部分を補完し、追加シナリオも内容が充実しています。ミナ&絢華√については、考えさせられる場面もありますが、全体的にシリアスの比重も少なく楽しみながらプレイできました。

最後に理亜(マリア)の別ルートについて。正直、このルートだけでも本作を買う動機には十分だと思います。前作をプレイ済みの方ならご存知の通り、理亜のシナリオというと胸が締め付けられるシーンが印象的ですが、『金色ラブリッチェ』で伝えたいメッセージが一番織り込まれているパートです。

前作を最後までプレイすると理亜のCGがもらえましたね。最後の一枚です。本編では登場しなかったワンシーンなので、色々と解釈を考えました。が、この疑問も本作をプレイすれば氷解します。「十分にあり得た世界」なのです。そして、みんなが願った奇跡なのです。金恋GTは単なるFDではなく、GTまでプレイして初めて『金色ラブリッチェ』になります。

音楽について:

とてもいいです。クリア後も、よくサウンドトラックを流して部屋のBGMとして聴いています。「Ordinary Day」と「morning dew」が特にお気に入りです。

その他・要望など:

①メニュー表示の大きさ
SAVE LOAD CONFIGなどが表示されている画面下のメニューバーですが、文字の大きさが小さいですので、もう少し大きくてもいいかなと思いました。間隔も狭いので押し間違うことが何回かありました。

②セーブ&ロード画面
個人的な好みですが、セーブ&ロード画面は▶や▶▶でページを切り替えるタイプより、

         ・・・

のようにブロック形式で瞬時に移動できる方が好きです。

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