お久しぶりです。
毎日少しずつ進めていたSummer Pockets REFLECTION BLUE(サマポケRB)がようやく終わりを迎えましたので、今回はこちらのレビューを書いていきます。
この記事では、
- 本作の評価
- 前作との違い・比較
- これからサマポケを始める人は、「無印版」と「本作」どちらをやればいいの?
などについて紹介しています。
まだ未プレイの方もいらっしゃるかもしれませんので、直接的なネタバレはいたしませんので、ご安心ください。
以前に前作(『Summer Pockets』)の記事も書いておりますので、よろしければ併せてご覧ください(こちらの方はがっつりネタバレや考察をしております)

それでは、いってみましょう!
評価
シナリオ:★★★★☆
音楽 :★★★★★
原画 :★★★★★
システム:★★★★☆
総合評価:★★★★★
プレイ時間:厳密には計っていませんが、ゲームを始めたのが8月の中旬。Pocketルート(グランドルート)をクリアしたのが10月の下旬でした。
めっちゃ時間かかってますね( ̄△ ̄;)
私は社会人ですので一日のプレイ時間は30分~1時間ほどです。疲れて二週間くらいプレイできない期間もありました。
また、こちらのクリア時間はRECORDを全てコンプしてのものになりますので、その気になれば1ヶ月ほどで全クリアできる長さです。
「ストーリーだけ読破したい」「前作はプレイ済みだから、新規ルートだけやりたい」などであれば、もっとプレイ時間は短縮できますね。
各項目について、もう少し詳しく解説していきますね。
シナリオ
一文一文の長さが短くて、軽く読めますし、難しい言葉も出てきません。ストレスフリーで遊べます。
ストーリーに関しては、「笑いと幸せが溢れる日常」に「ファンタジーを織り交ぜた泣き要素」を融合させた、さすがのクオリティ。
私はKeyの作品を見て育ちました。Keyの良いところが随所に見られた、集大成とも言える内容です。
評価をひとつ減らした理由としましては、追加シナリオでやや前作との矛盾が見受けられたこと。
加えて、クライマックスでの感動シーンの演出・強調がちょっと行き過ぎていたかな~と思ったことです。
Keyという大御所ブランドだからこそ少し厳し目に採点しましたけど、ここまで笑いと感動が一気に楽しめる作品は他にありません。
音楽
これはもう文句なしです。
曲を聴くだけで脳内で思い出のシーンが再生されます。私も一年中サントラを聴いていますが、耳心地の良い曲から切ないBGMまで、サマポケには素敵な楽曲がいっぱいです。
12/25にはサマポケRBのサウンドトラックが発売されますね。こちらは、前作の楽曲は収録されていなくて、REFLECTION BLUEで新規に追加された曲のアルバムみたいです。
今から発売が楽しみですね!
原画&CG
KeyのCGは敵を作らない、と私は考えています。
各ブランドはそれぞれ得意とするイラスト技術を持っていますが、おそらくKeyのイラストを嫌う人は少ないのではないでしょうか。
サマポケの原画は、Na-Ga先生、ふむゆん先生、和泉つばす先生、永山ゆうのん先生がメインで描かれていますが、どれもふんわりした絵タッチで、ヒロインの可愛らしい魅力が存分に伝わってきます。
既存ヒロイン(しろは、紬、鴎)については、個別ルートの内容は旧作と全く同じなのですが、1シーン(差分あり)だけ追加CGがあります(蒼ちゃんだけ追加要素はなしです)
ALKAとPocketルートの最後にも追加演出があります。サマポケファンなら絶対に見ましょう。
システム
まず、セーブ数が多いのが良いですね。最大で1,000個までセーブできます。最近のPCゲームの平均的なセーブ可能数が100個ですので、10倍も記録できちゃいます。
セーブ厨の自分としては、これほど頼もしいゲームは他にありません!
コンフィグも必要な設定項目は網羅されており、細かすぎない点もグッド。
プレイ画面をワンタッチでSNS投稿できるのも嬉しいですね。
マイナスポイントとしましては、レコードのコンプが大変だったことですね。
前作よりも50個増えて、250個あります。
裏を返せばやりこみ要素が豊富で、まさに「無限に遊べる夏休み」を体現したような設計なのですが、ノーヒントだと気づきにくい(というか初見だとほぼムリな)レコードもいくつかあり、クリアまでに膨大な時間を要します。
なので、レコード獲得となりうる要所ポイントを提示するなり、チャート画面を実装するなどの工夫が欲しかったです。
攻略情報を絶対に見ない主義の方は、ぜひ覚悟を決めてプレイしてみてくださいね。
総合評価
結論、買ってよかったです。買うかどうか迷っている方は、購入して損はしないです。
万人受けする要素がつめこまれていますので、鍵っ子に関わらず広くプレイしてほしい作品です。
前作との違い・比較
ここからは、2018年に発売された『Summer Pockets』と今回の『REFLECTION BLUE』の違いについて、かんたんにご紹介していきます。
主な変更点は以下の3つになります。
- 追加シナリオ
- メインヒロイン及びALKA・Pocketルートに追加要素
- 卓球ダブルス
一個ずつ見ていきましょう。
追加シナリオ
今作では4人の新しいルートが開放されています。プレイしてみての感想と併せて紹介します。
神山識(新規ヒロイン)
活発で感情表現が豊かな女の子。一人称が「ぼく」で、すごく親しみの持てるキャラです。
「ここにきて新ヒロイン!?」って思った方もいるでしょう。リトバスの朱鷺戸沙耶を思い出してください。オリジナルストーリーでありながら本編に必要な補完ルートなのです。
サマポケの舞台となる鳥白島には、8月21日に「夏鳥の儀」と呼ばれる夏祭りが開かれます。しろはルート・うみルートでひとつポイントとなる重要なイベントでしたね。
識のルートでは、この「夏鳥の儀」の由来について書かれています。
また、島の山奥には鳴瀬神社という神社があります。前作ではほとんど触れられていなかった場所ですが、識ルートを遊ぶと鳴瀬神社の建立の経緯が分かります。
サマポケ本編の必要事項をカバーしつつ、しっかりとユーザーの心を揺すってくる完成度の高いルートでした。
キービジュアルのセンターに座しているのも納得できます。
水織静久
他の追加ルートでは、わりと終盤になってから羽依里くんがヒロインへの恋心に気付く / 想いを伝えるといった印象なのですが、静久とは恋に落ちるタイミングが早かったように感じられます。
静久のルートは、彼女の「人柄」と「家族」について書かれたもので、サマポケというよりは、どちらかというと今までのKey作品に近い内容だったと思います。
紬ルートでは、夏休みのほとんどを紬、羽依里、静久の三人で過ごしました。
そして今回も、やっぱり紬、静久、羽依里の三人ありきのストーリーだなと思いました。
紬ルートでは、やがて帰る紬のために二人が思い出を作ってあげます。本ルートでは、紬が二人のために頑張る場面があって、心打たれるセリフも随所に見受けられました。
静久に軸を置きながらも、紬の活躍にもしっかりと光を当てた内容でした。
野村美希
私の周りには「のみきファン」がたくさんいます。
小柄な体型のわりに、しっかりした物言いと、島の風紀を守るという強い使命感が特徴の女の子。
けれど、予想外のことが起きると「ふにゃあ」とか「にゃ」みたいなネコ語が混ざった口調になるのが可愛い。
彼女はよく放送塔の上から島を見渡していて、良一が服を脱いだらハイドログラディエーター改で狙撃しています。
そんなのみきルートでは、
- 彼女がなぜ放送塔の上から島を見下ろしているのか
- 平和な島なのに、なぜ少年団に所属して治安維持に務めているのか
について明かされています。
切なくも心温まるお話で、漠然とした表現ですが、こういうのを「良い話」と呼ぶんだな~って思いました。
加藤うみ
うみちゃんを抜きにしてサマポケは語れません!
メインヒロインをすべて攻略した後に出現するALKAルートは、実質うみちゃんルートです。
が、本作のうみちゃんルートはALKAとは別物で、完全に新規シナリオです。
個人的には、うみちゃんのルートが遊べただけでもサマポケRBを買ってよかったなって思いました。
羽依里は再び水泳と向き合うことができますし、うみちゃんもずっと焦がれていたお父さんと過ごす夏休みを手にすることができます。
サマポケ的には、もうひとつのTrue Endと言っていいでしょう。
とくにラストがヤバイです。別れの時――交わされる言葉数は多くないのですが、うみちゃんの「本当は全部言いたいけど、言えない」という心の中のジレンマが痛いほど伝わってきます。
今回が初めてのサマポケという人も十分に感動できますし、無印版をやった人なら、うみちゃんの一つ一つのセリフや行動に重みが出ていっそう感動できます。
その他の変更点
①羽依里くんにボイスが入りました。
CVは千葉翔也さんでした。落ち着きがあるけど少年の面影を忘れない声で、けれど卓球だとけっこう叫んでておもしろかったです。
本編では、最初とラストのみの出演で、共通ルートや個別ルートには声は入っていません。
②一部の演出が変わっている。
たとえば、しろは・蒼・紬・鴎のクライマックスのBGMが新規挿入歌に変更されています。
以前のバージョンでは「アルカテイル-recall-」などが流れていました。
ここは好みが分かれると思います。正直、私は昔の方が好きでした。
あと、グランドエンディングで流れる「ポケットをふくらませて」の演出も変わっています。
羽依里はうみちゃんのために世界で一冊だけの絵本を描いてあげますが、オリジナルで加えた最後の部分がエンディングで見れます。
そして、識たちの新しいヒロインが加わったことで、ALKA・Pocketルートの演出も一部変わっています。
卓球ダブルス
サマポケRBでは卓球ダブルス(島ポンファイト)で遊べます。
[遊び方]
7月29日に駄菓子屋にいるうみちゃんのアイコンを選択します。選択肢で「リストバンドタイプ」を選んで、その後天善からラケットを受け取ればOK
ここが、「島モンファイト」で王を目指すか「島ポンファイト」で天を目指すかの分岐点になります。
すると、こんなマップが表示されます。
無駄にかっこいい……!
島ポンファイトは「予選」と「本戦」に分かれています。
予選はシングルスで、好きな相手と対戦できます。
頭上にはHPゲージが表示されていて、相手の体力をゼロにすれば勝ちです。
キャラによって「特性」や「必殺技」のようなものがあります。
基本的には、天善の時と同じように、なるべくミスを減らして、Excellentを出すことを意識していれば大丈夫ですが、上記のような「必殺技」要素が試合の流れを左右するので、けっこう手汗握ります!
次は本戦です。
本戦はトーナメント形式のダブルスで、予選で倒したキャラの中からペアになるパートナーを選べます。
試合パターンは、本物の卓球と同じく、自分とペアのキャラが交互に打っていきます。
味方のミスを自分がフォローして返すこともできますし、逆に自分が失敗しても味方が助けてくれる場合もあります。
なので、個人的には予選のシングルスよりも、本戦のダブルスの方が難易度は低いように感じられました。
予選で苦戦したキャラをペアに選べば、頼もしい味方になってくれます。
ミニゲームと侮るなかれ! けっこう熱中できますし、時間もかかります!
まぁ、レコードの半分以上がこれと島モンファイトですからね……。
会話パーターンも変化しますので、ぜひ全キャラのペアを試してみてください。
これから始める人は、「無印版」と「サマポケRB」どちらを遊ぶべき?
結論、「サマポケRB」で大丈夫です!
「サマポケRB」は前作の内容に追加要素が盛られたゲームなので、無印版で遊べることは、全部REFLECTION BLUEでも遊べます。
無印版は店頭在庫も少ないですが、RBはまだ安心して購入できますので、興味をもたれた方は本作からやってみるといいと思います。
まとめ
けっして後付ではなく、本編とのつながりをもたせた上で、物語を補完する役割をちゃんと担った作品でした。
何より、最後の最後でちゃんと希望を見せてくれました。駆け回った永遠の夏休みが無駄じゃなかったって伝えてくれました。
前作をプレイしてよかったと思った方は、ぜひサマポケRBもやってください。
Summer PocketsはREFLECTION BLUEで完成します。
「夏休み」「田舎」「感傷的な物語」……同じコンセプトでサマポケを超える作品を作るのはなかなか難しいですし、Keyにとっても次回作への大きな期待とプレッシャーになると思います。
しばらくはサマポケの余韻が続くと思われますが、いつかアニメ化の知らせや次回プロジェクトの発表があったら嬉しいです。
また、キネティックノベルや、「神様になった日」「クドわふたー」などのアニメ制作など、楽しみな企画が目白押しなので、今後もKeyならびにビジュアルアーツさんから目が離せません。
コメント