この記事は『9-nine-ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと』をまだプレイされていない方に本編の見所を紹介しつつ、最後に9-nine-シリーズの評価を行うことを目的にしています。
物語の性質上、大きなネタバレをしないほうが未プレイの方にとっては楽しめると思いますので、ネタバレは最小限にとどめます。
(『はるいろ はるこい はるのかぜ』までのネタバレは含みますので、ご了承ください)
➤本記事では以下の疑問にお答えします。
Q1. 9-nine-は今回で完結するの?
Q2. 前作はやっておいた方がいい?
Q3. 『ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと』の魅力は?
それではいってみましょう!
9-nine-は今作で完結するのか
結論から言えば、完結します!
前作の『はるいろ はるこい はるのかぜ』で、諸悪の根源がイーリスだということが判明しました。
『ゆきいろ』では、そのイーリスを倒すところまで語られます。
続編(たとえば、後日談やスピンオフ)も無いとは言い切れませんが、本筋は今作にて終了となります。
もし続きが出るなら、ソフィ視点でのアーティファクトの回収とかやってほしいです。
前作は事前にやっておいた方がいいか
『ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと』をプレイする前に、それまでの3作品は必ずやっておきましょう!
公式サイトでも、それを強く推奨しています。
9-nine-は「分作」の方式をとっています。1年に1本のペースで発売されていましたので、前回の記憶が抜けている方も多いと思います。
シナリオがとても上手で、前作の流れを思い出させながら、話を整理して進めてくれるので、ソフト単体でも楽しめます。
が、今回の『ゆきいろ』に限っては、過去作の重要なシーン・感動シーンも取り上げられ、それらが礎になってエンディングとなりますので、事前のプレイは必須です。
それに、やっておいた方が今までの謎が解けたり、ラストの感動が大きかったりします。
特に、前作の『はるいろ はるこい はるのかぜ』は今回につながる重要なヒントがいくつも登場しますので、時間に余裕のある人は、事前にもう一度復習しておくのもいいかもしれません。
・オーバーロード
・同調
・眷属化
・世界の眼
ここら辺は『ゆきいろ』で何度も出てくるキーワードであり、本作の「軸」になりますので、ぜひ押さえておきましょう。
『ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと』の魅力とは
大きく3つあります。
①希亜が可愛い
もうこれに尽きます。
小難しい話なしにして、純粋に希亜とのイチャラブ目的で買うのも全然アリです。
ただ、良い意味でも悪い意味でもキャラ崩壊が激しく、前作までのクールな希亜ちゃんはもういません(笑)
いや、ラストはすごくかっこいいんですよ!?
本編でも何度か「キャラ変わり過ぎ」とツッコまれていました。
制作チームとしましても、どこまで希亜のキャラ属性をつめるか、けっこう頭を悩ませたんじゃないかなって推測します。
私はずっと希亜ちゃん推しでしたが、今回でいっそう希亜ちゃんが好きになりました。
今までにない希亜の柔和な表情と、明るい口調が楽しめます。
声優の夏和小さんはクールなキャラを演じられることが多いですが、今回はとても愛嬌のある可愛らしい演技も見せてくれました。
②アーティファクトによるユーザーバトルが熱い
ラストの戦闘シーンが最高でした。
『そらいろ そらうた そらのおと』のゴースト戦、
『はるいろ はるこい はるのかぜ』のイーリス戦も白熱しましたが、
比にならないくらいのクライマックスを見せてくれます。
BGMも相まって鳥肌が止まりませんでした。
また、OPの「DEAR MY WAKER」とEDの「Be braver!」も素敵な曲でした。
昔から米倉千尋さんの歌を聴いてきましたが、最近はめっきり9-nine-のイメージが強くなりましたね。
ぜひサウンドトラックでじっくり聴きたいです。
③エンディング考察
9-nine-では複数の枝(世界線)に分岐します。
こういう並行世界・タイムリープ系の物語では、他の世界が犠牲になってでも、その悔しさを踏み倒して幸せな未来を掴みに行くという流れが多いのですが。
9-nine-の良い所は、他の枝(世界線)の幸せも約束された点にあります。
つまり、形の上では希亜と結ばれるエンディングがTrue Endのように書かれていますが、イーリスの脅威が排除されたことで、他のヒロインと結ばれた枝もひとつの幸せなルートとして確立できた、ということです。
九條都と結ばれた枝も、新海天との禁断の恋も、香坂春風と付き合った記憶も、ぜんぶ尊い布石でもなければ間違いでもなかった。
それが知れただけで嬉しかったです。
④PCゲームだから面白い
9-nine-が発売されたとき、とても面白いので是非アニメ化もしてほしいなって思ってました。
しかし、最後までプレイすると9-nine-シリーズはPCゲームだからこそ魅力が発揮できたと分かりました。
一方的に情報を享受して、「読まされて終わり」ではなく、プレイヤーも一人の「役柄」として物語に能動的に参加できる仕組みを9-nine-は形にしてくれました。
単なるメタ演出ではなく、理論的にプレイヤーを巻き込んだのです。
この功績は大きいです。
評価と考察(9-nine-シリーズは成功だったのか)
2017年に『ここのつ ここのか ここのいろ』がリリースされて、4年。
9-nine-は1年に1本という分作のスタイルを取ってきました。
こういう販売形式を他のブランドでは見たことがなかったので、ぱれっとさんはまた思い切ったことをしたなと当時は感じました。
おそらくぱれっとさんとしては、
・間隔が空くとプレイヤーがゲームの内容を忘れてしまうのではないか?
・そして、プレイヤー自身の熱が冷めてしまうのではないか?
この懸案はずっと付きまとっていたと思います。
もちろん、SNSでの定期的な宣伝効果に加えて、数々のキャンペーン企画が功を奏した面もあるでしょう。
しかし、9-nine-はあくまでも自身の力で多くのファンを獲得しました。
私自身も一年間のブランクはそれほど気にならなかったので、こういうスタイルもアリだなと思いました。
それに、四年も続いたのに、たくさんのユーザーが最後までついてきてくれた。
この事実が全てを物語っています。
9-nine-(特に今回の『ゆきいろ』)はとても衝撃的でした。
私が持つ、ぱれっとさんのイメージと大きくかけ離れていたからです。
バトル要素もそうですが、過激なシーンもあり、ぱれっとさんのイメージを一新しました。
ブランドイメージを大きく左右する作品なので、企画を通すのはかなり勇気のいる決断だったと推測します。
しかし、過去作に囚われることなく、新しいブランドイメージを発信しようとしたぱれっとさんの英断を、私は大いに評価したいです。
というわけで。
『ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと』はそれ単体でも十分に楽しめるコンテンツなのに加えて、「これからのぱれっとの舵を大きくきっていくぞ!」という強いメッセージを兼ね備えた内容でした。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
今なら過去の3作品がセットで購入できるみたいです。
9-nine-は1年という間隔を空けて展開したからこそ、より味が深まったと私は考えていますが、連続でプレイしたらまた違った感想が生まれるかもしれません。
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